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お餅を喉につまらせると怖いから、お雑煮はやめておこう。
本当はお正月に、家族と同じお雑煮を食べさせてあげたいけど諦めていませんか。
私もそうでした。
でも、家族と同じお雑煮を取り分けて、刻むかムースにしたら、娘が食べられました。
そして、「スプーンで食べるおもち」という介護食用のやわらかいお餅がそれを可能にしてくれました。
私は管理栄養士として、病院と施設で12年、食事に関わってきました。
そして、重い障害のある11歳の娘の母です。娘は噛まずに、そのまま飲み込みます。
今回、2つの作り方を試しました。工程を全部、写真でお見せします。
- 刻みのお雑煮の作り方(具の大きさ・とろみの量)
- ムースのお雑煮の作り方(分量・温度)
- どちらを選べばいいか
- 私が失敗しかけたところと、その直し方
※このブログの情報は一般的な介護食の参考情報です。飲み込む力には個人差があります。必ず担当の医師・言語聴覚士・管理栄養士にご相談のうえでご活用ください。
どちらを作る?ふだん食べているものに合わせてください
| 刻みのお雑煮 | ムースのお雑煮 | |
|---|---|---|
| 向いている方 | ふだん刻み食の方 | ふだんムース食の方 |
| 使う道具 | 包丁 | ミキサー |
| 使うもの | とろみをつける粉 | ゲル化剤 |
| 手間 | 刻むだけ | ミキサー+温度を見る |

うちの娘は、ふだんは刻み食です。体調が悪い日や、飲み込みが心配な日はムースにしています。
ご家庭によって違うので、両方の作り方を書きました。
お餅は、お椀に入れないでください
作り方の前に、いちばん大事なことをお伝えします。
お餅は、別の小皿に出します。
食べるときに、一口分ずつ混ぜます。
理由は2つあります。
1つ目。最初にお椀へ入れると、冷めたときに温め直せません。この商品は、パッケージに「加熱せずにお召し上がりください」と書かれているからです。
2つ目。汁に浸けたままにすると、食感が変わります。
このお餅をお汁粉にして、10分置いて測ったときは、こうなりました。
作りたて → つるん
10分後 → ふわっと、とろー
これは、刻みでもムースでも同じです。
お餅そのものの実食レポートは、こちらに書いています▼
刻みのお雑煮の作り方|包丁だけでできます
刻み食の材料(1人分)

| お雑煮の材料 | |
|---|---|
| バランス献立 スプーンで食べるおもち | 1袋(50g) |
| 鶏もも肉 | 30g |
| にんじん | 10g |
| 大根 | 10g |
| だし汁 | 3/4カップ(150ml) |
| めんつゆ(3倍濃縮タイプ) | 大さじ1(16g) |
| 塩 | 少々 |
| とろみをつけるもの | |
|---|---|
| とろみエール | 1袋(2.5g) |
具の「鶏もも肉・にんじん・大根」は、家族のお雑煮から取り分けました。別に作る必要はありません。
具の量は、食べる方に合わせて調整してください。
※この記事で「お雑煮の汁」と書いているのは、めんつゆと塩で味をつけたあとの汁のことです。家族のお雑煮から取り分けます。
こんにゃくとごぼうは、入れませんでした
家族の分には入っています。でも、細かく刻んでも固いからです。
① 具を2mm角に刻む

アサヒの公式サイトにあるお雑煮のレシピでは、具を5mm角に切ります。
でも娘は噛まずに飲み込むので、5mmでは大きすぎます。うちは2mm角にしています。

どのくらいに刻むかは、食べる方の様子を見て決めてください。迷うときは、担当の医師・言語聴覚士・管理栄養士にご相談ください。
② お雑煮の汁に、とろみをつける

温かいお雑煮の汁150ccに、とろみエールを1袋入れます。とろみエールは温かいものでも、冷たいものでも加熱せずにそのまま使えます。
スプーンですばやくかき混ぜると、かんたんに溶けました。
汁の温度は、10〜45℃が目安です
公式サイトに「10〜45℃の食品に使用することに適しています」「熱い食品に使用する際にはとろみが弱くなることがあります」とあります。
私が作ったときは52.1℃でした。うまくつきましたが、公式の目安に合わせるなら、少し冷ましてから入れるほうが確実です。

これが「薄いとろみ」です。
1袋にした理由
パッケージに、目安が書いてあります。
| とろみの濃さ | 味噌汁100ccあたり |
|---|---|
| 薄い | 1.7g |
| 中間 | 2.5g |
| 濃い | 3.6g |
出典:とろみエールのパッケージ表示(味噌汁40℃の場合)
150cc × 1.7 = 2.55g。1袋が2.5gなので、薄いとろみの目安に近い量です。
お餅も混ぜるので、薄いとろみでよいと考えました。
もっととろみをつけたいときは、最初に入れる粉の量を増やします。
※あとから足すと、ダマになることがあります。公式サイトでは「別の容器で強めのとろみをつけた同じ汁を加えて調整する」方法が案内されています。
どのくらいのとろみが合うかは、人によって違います。担当の医師・言語聴覚士・管理栄養士にご相談ください。
すぐにとろみがつかないときは
公式サイトによると、塩分の多いもの(味噌汁など)は、とろみがつくのに時間がかかることがあります。
そのときは、5分ほど置いてから、もう一度よくかき混ぜてください。
とろみエールの詳しい使い方はアサヒ公式サイトを参考にしてください。
③ 具を入れて、お椀に盛る
とろみをつけた汁を汁椀に入れ、そこへ刻んだ具を入れます。
先に具を入れると、とろみエールが混ぜにくくなるので、汁だけで先にまぜておくのがコツです。

1人分だけなら、取り分けてから
家族のお雑煮もとろみを付けるなら、水溶き片栗粉でとろみをつけてください。
今回のように、家族のお雑煮にはとろみはつけたくない場合は、1人分だけ別に取り、とろみエールでとろみを付けたほうが楽です。
完成|少しとろみがついて、食べやすいお雑煮ができました
お椀にとろみがついた汁を入れ、別皿に「スプーンで食べるおもち」を盛り付ければ完成です。

「スプーンで食べるおもち」のパッケージの裏にも書いてありますが、おもちはとてもやわらかいです。
そのため、最初に全てお餅をお椀に入れてしまうと、温かい汁で、やわらかくなりすぎる可能性があります。
そのため、写真のように、一口ずつスプーンでよそって、だし汁につけて食べるのがおすすめです。

この商品は、パッケージに「加熱せずにお召し上がりください」と書かれています。
だから別の小皿に出しておけば、汁が冷めたときに、お椀のほうだけ温められます。
この形にした方が、最後まで美味しく食べられます。
お雑煮らしく見えるように、お餅を全部入れた写真も撮りました。

※これは写真のためです。すぐに食べきるときなら、この形でも大丈夫です。一口ずつスプーンですくって食べましょう。


食べるのに時間がかかる場合は、お餅は別の小皿に出しておく方がおすすめです。
刻みのお雑煮を作る流れ
- 家族のお雑煮から、具と汁を取り分ける
- 具を2mm角に刻む
- 汁150ccに、とろみエール1袋(2.5g)を一度に入れて、すばやく混ぜる
- 汁椀に汁を入れ、刻んだ具を入れる
- お餅は別皿にして、一口ずつ合わせる
ムースのお雑煮の作り方|ミキサーゲルを使います
ムース食の材料(1人分)

| バランス献立 スプーンで食べるおもち | 1袋(50g) |
| 鶏もも肉 | 40g |
| にんじん | 30g |
| 大根 | 30g |
| お雑煮の汁(40℃以上) | 100g |
| ミキサーゲル(全体の0.8%) | 1.6g |

具と汁の割合を1:1にしてミキサーにかけるのがポイントです。
具と汁を合わせて200gなので、200g×0.8%で、ミキサーゲルは1.6gになります。
具は3つ合わせて100g。ミキサーにかけるので、刻む必要はありません。
① お雑煮の汁を温める(目安は40〜60℃)

ミキサーゲルは、40℃以上の温かい食材の場合、全体の0.8%を使用します。
出典:宮源の公式サイト(冷たい食材は1.0〜2.0%・推奨1.5%/温かい食材は0.5〜1.0%・推奨0.8%)
ミキサーの耐熱を確かめてください
家庭用のミキサーは、耐熱が60℃のものが多いです。熱いものを入れる前に、お使いの説明書をご確認ください。
ミキサーゲルの詳しい使い方を知りたい方はこちらの記事をどうぞ▼
② 具と汁だけを、ミキサーにかける

鶏肉が固かったので、先に具と汁だけでペーストにしました。
ミキサーゲルは、最初から一緒に入れても大丈夫です
私は鶏肉が固かったので、先に具だけを回しました。でも最初から一緒に入れても、十分に撹拌できました。
一緒に入れるほうが、温度が下がる心配もありません。
③ ここで失敗しかけました|35.8℃まで下がっていた

53.5℃あったのに、35.8℃になっていました。
冷たい具を入れたことと、ミキサーの中で冷めたことが重なったのだと思います。
40℃を下回っています。このままだと、ミキサーゲル1.6g(0.8%)では足りず、うまく固まらないかもしれません。
※40℃以下の冷たい食材の場合、ミキサーゲルの量は全体の1.5%くらいが目安になります(宮源の公式より)。

※私の電子レンジでは、500Wで60秒でした。機種や量によって変わります。温度を確かめながら調整してください。

私は前に、お粥ゼリーで失敗したことがあります。温度が低すぎて、固まりませんでした。
だから今回は、ここで温度を測って、温め直しました。
ミキサーにかけると、思ったより温度が下がります。ここは測ってみてください。
④ ミキサーゲルを入れて、なめらかになるまでまわす

そのまま60秒まわしました。
60秒を目安に、具が残らずなめらかになるまで撹拌してください。ミキサーによって力が違うので、時間ではなく見た目で判断すると失敗しません。
完成|きれいに固まりました

きれいに固まりました。なめらかで、味もおいしいです。
温度の流れを並べると、こうなります。
| お雑煮の汁を温めた | 53.5℃ |
| ミキサーにかけたあと | 35.8℃ ← 下がった |
| 電子レンジで温め直した | 52.2℃ |
| ミキサーゲルを入れて完成 | 47.6℃ |
※2026年10月に、自宅で作って測ったものです。ミキサーや量によって変わります。
温度を書くと難しく感じますが、温かい汁と具とミキサーゲルを、ミキサーで60秒撹拌すれば完成です。
この記事では、失敗しないように温度をくわしく書きました。
ムースのお雑煮を作る流れ
- 具100g と お雑煮の汁100g を用意する
- 汁を40℃以上に温める
- 具と汁をミキサーにかける
- 温度を確かめる
- 40℃を下回っていたら、温め直す
- ミキサーゲル1.6gを入れる
- なめらかになるまで撹拌する(60秒が目安)
- 固まったら完成
- お餅は別皿にして、一口ずつ合わせる
お椀に盛る|お雑煮のムース食の完成
お椀にお雑煮のムース食、別皿に「スプーンで食べるおもち」を盛り付ければ完成です。

こちらも、別々に盛り付けたほうが、一口ずつスプーンですくって食べさせてあげやすいです。

「スプーンで食べるおもち」は、加熱せずに食べる商品です。食事に時間がかかり、ムース食が冷めてしまった場合はお椀のムース食だけレンジで温めてください。温め方は500〜600Wで10秒ずつ様子を見ながら温めてください。
温めすぎるとドロドロになりますが、温度が下がるとまたムース状に固まります。
ムース食の温め方について知りたい方はこちらの記事をどうぞ▼

お雑煮の雰囲気を出すために、お餅もお椀に盛り付けてみました。
※写真のためにのせましたが、食べるときは別の小皿に盛り付けています。

少しでもお正月気分を味わってもらえると嬉しいです。
娘が美味しそうに食べました

今回、初めてお雑煮のムースを食べさせるので、最初は不思議そうに見ていました。
でも一口食べると、嬉しそうにパクパク食べていました。
お餅とお雑煮のムースを一緒に食べても、口の中でばらける様子もなく、いつもと同じように食べていました。

家族と同じものを娘が食べている。
それだけのことですが、私にはうれしいことでした。
※食べ方や飲み込みやすさには個人差があります。初めて出すときは、少量から様子を見てください。
公式のレシピとの違い
アサヒの公式サイトにも、お雑煮のレシピがあります。
公式は「お椀のお餅に、汁をかける」
公式の手順では、お椀に盛ったお餅に汁をかけます。
そのほうが、お雑煮らしく見えるからだと思います。
でも私は、別の小皿にしました。あとから温め直せるようにするためです。
公式にも、こう書かれています。
やわらかさには配慮しておりますが、召し上がる方の噛む力・飲み込む力に合わせて、具材のやわらかさや大きさ、とろみ具合を調整してください。
出典:アサヒグループ食品「お雑煮|アレンジレシピ」公式(2026年10月確認)
「調整してください」の中身が、この記事です。
管理栄養士として、ひとつだけ
公式のレシピは、1人分で食塩が1.9gです。
公式レシピ1人分の栄養
85kcal / たんぱく質5.6g / 脂質1.1g / 炭水化物15g / 食塩1.9g
「日本人の食事摂取基準(2025年版)」の目標量は、大人の女性で1日6.5g未満です。
お雑煮1杯で、その3割ほどを使います。
塩分を控えている方は、めんつゆを減らして、だしを濃くする方法があります。
出典:アサヒグループ食品「お雑煮|アレンジレシピ」/厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」

お正月の1杯なら、気にしすぎなくていいと思います。毎日続けるときだけ、気にかけてください。
よくある質問
お餅は温められますか?
パッケージに、こう書かれています。
本品は加熱せずにお召し上がりください。おもちがくずれる場合があります。冷凍はしないでください。
加熱しない理由は「くずれるから」です。温めなくても、そのまま食べられます。
作り置きできますか?
刻みのお雑煮は、汁だけ冷蔵庫で保存します。具は食べる直前に刻んでください。とろみエールも、食べる直前に入れてとろみをつけます。
公式サイトの「使用上の注意」にも、こう書かれています。
温度が下がると、とろみが強くなることがありますので、調理後はなるべくお早めにお召し上がりください。
食べ残しは召し上がらないでください。
出典:アサヒグループ食品「とろみエール」公式サイト(2026年10月確認)
ムースは作り置きできます。冷蔵保存なら2日以内に食べきるのが目安です。
出典:宮源の公式サイト「保存する量は2日以内に食べきれるくらいに」(2026年7月確認)/同社へ電話で確認(2026年6月)。私が冷蔵庫で2日置いたときは、容器のふちにうっすら水が出ていました。
とろみをつける粉やゲル化剤がないときは?
アサヒの公式サイトにあるお雑煮のレシピでは、水溶き片栗粉でとろみをつけています。
どのくらいのとろみが合うかは人によって違うので、担当の医師・言語聴覚士・管理栄養士にご相談ください。
具は何を入れればいいですか?
お雑煮には、私は鶏もも肉・人参・大根・ごぼう・こんにゃくを入れました。そこから、鶏もも肉・人参・大根だけ取り出して使いました。
ごぼうとこんにゃくは、細かく刻んでも固いので使いませんでした。
まとめ
- 家族のお雑煮から取り分けて、刻むかムースにすれば、同じ食卓で食べられます
- 刻み:お雑煮の汁150ccに、とろみエール1袋(2.5g)で薄いとろみ
- ムース:具と汁200gに、ミキサーゲル1.6g(0.8%)
- ミキサーにかけると温度が下がります。40℃を下回ったら温め直します
- お餅は別の小皿に。食べるときに一口ずつ混ぜます
今年のお正月は、家族と同じお雑煮に挑戦してみてください。

我が家も、初めて一緒のお雑煮を食べられるので、今から楽しみです。
あわせて読みたい
参考:アサヒグループ食品「スプーンで食べるおもち」商品ページ・パッケージ表示/同「お雑煮|アレンジレシピ」/同「とろみエール」商品ページ・パッケージ表示/宮源 ミキサーゲル公式/厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」(いずれも2026年10月確認)




