
家族と同じおかずを、ムース食にしてあげたい。でも分量がわからない……。
そう思っている方へ。
今回は、家にある「にんじんの煮物」をムース食にする方法をご紹介します。
覚える数字は3つだけです。
- にんじんの煮物(具だけ)100g
- 水分100cc(水だけでもOK。おすすめは煮汁50cc+水50cc)
- ミキサーゲル3g(スティック1本)
作り置きして冷凍保存もできます。


実際に作って、重さも温度も時間もすべて測りました。写真つきでご紹介します。
※このブログの情報は一般的な介護食の参考情報です。嚥下(えんげ)の力には個人差があります。必ず担当の医師・言語聴覚士・管理栄養士にご相談のうえでご活用ください。
・材料と分量(覚えるのは3つの数字だけ)
・にんじんの煮物の作り方
・ムース食にする手順(すべて実測・写真つき)
・食べてみた正直な感想
・保存のしかた
・なぜミキサーゲルは3gなのか
【結論】覚えるのは「100・100・3」の3つだけ
先に結論をお伝えします。
にんじんの煮物(具だけ)100g
+ 水分 100cc
+ ミキサーゲル 3g(スティック1本)
この割合で、きれいなムース食になります。
水分100ccは、水だけでも作れます。おすすめは煮汁50cc+水50cc。味がちょうどよくなります。
スティック1本がちょうど3gなので、ミキサーゲルを量る必要はありません。
量るのは「具100g」と「水分100cc」だけです。

なぜ3gなのかは、記事の後半で説明しています。まずは作ってみましょう。
材料|用意するものはこれだけ

| 材料 | 分量 |
|---|---|
| にんじんの煮物(具だけ) | 100g |
| 水分(煮汁50cc+水50cc) | 100cc |
| ミキサーゲル | スティック1本(3g) |
道具はミキサーとはかりがあれば大丈夫です。温度計はなくても作れます。
水分100ccの中身は、お好みで選べます

| 水分100ccの中身 | こんな方に |
|---|---|
| 煮汁50cc + 水50cc | いちばんおすすめ。味がちょうどよくなります |
| だし汁 100cc | 手間をかけられる方。風味がよくなります |
| 水 100cc | いちばん手軽。少し薄味になります |
味つけに合わせて調整してください
ふだん薄味に作っているご家庭では、半々だと味がぼやけるかもしれません。その場合は煮汁を多めに、水を少なめに。
逆に、しっかりめの味つけなら煮汁は控えめに。煮汁だけで100ccにすると、味が濃くなりすぎます。

だしを取るのが大変な日は、煮汁を使えば十分です。捨てるはずのものが役に立ちます。
ミキサーゲルはスティックタイプが便利です。1本3gなので、そのまま入れるだけで済みます▼
下準備|にんじんの煮物を作ります

今回、私が作った煮物の分量です。家族のおかずとして、ふつうに作ります。ムース食のために味を変える必要はありません。
- にんじん 中2本(350g)
- 水 100ml
- 顆粒和風だしの素 小さじ1/2(約1.5g)
- しょうゆ 小さじ4(20ml)
- みりん 小さじ4(20ml)
- 砂糖 小さじ2(6g)
にんじんを食べやすい大きさに切って、やわらかくなるまで煮るだけです。この分量で、煮物が430gできあがりました(具と煮汁を合わせた重さです)。
できあがったら、ムース食のぶんとして具100gと煮汁50ccを取り分けます。残りは家族の食卓にそのまま出せます。

ムース食のために、わざわざ別の鍋で作る必要はありません。ここが続けやすさにつながります。
作り方|ミキサー15秒→1分待つ→15秒
ここからは、実際に作ったときの写真でご紹介します。使う分量のおさらいです。
具100g+水分100cc+ミキサーゲル1本(3g)
手順1|材料を量る

具100gと、水分100ccを用意します。
この記事は、冷めた煮物で作る方法です。作り置きや、食事の準備の合間に作るときは、たいていこの状態になります。
手順2|ミキサーに全部入れる

具と水分を入れて、そのうえからミキサーゲルを1本入れます。
手順3|15秒まわす


15秒まわします。時間は「以上」なので、長めでも問題ありません。
手順4|1分待つ
ここが大事なところです。1分待ちます。
これはミキサーゲルが水分を吸うのを待つ時間です。待たないと固まりにくくなります。何もしなくて大丈夫。ただ置いておくだけです。

1分置くだけで、とろみがついてきます。目で見てわかります。

待つのを忘れたらどうなるの?

固まりが弱くなることがあります。長く待つぶんには問題ないので、心配な方は2分くらい置いても大丈夫です。
手順5|もう一度15秒まわして、できあがり

もう一度15秒まわして、できあがりです。
ミキサーの中で、すでにムース状に固まっています。冷蔵庫で冷やす必要はありません。あとは器に移すだけです。
手順のまとめ
1.具100g+水分100ccをミキサーへ
2.ミキサーゲル1本(3g)を入れる
3.15秒まわす
4.1分待つ
5.もう一度15秒まわす
6.器に移す
できあがりの量|200gより少し少なくなります

具100g+水分100cc=200gのはずが、できあがりは177gでした。
失敗したわけではありません。理由はこちらです。

ミキサーの内側に残ってしまうのです。ゴムべらでかき出しても、全部は取れません。
どれくらい残るかはミキサーの形や大きさで変わります。200g分用意しても、そのままの量にはならないと思っておいてください。

言われてみれば、ミキサーに残ってしまいますよね。知っていれば慌てずに済みます。
仕上がりの確認|いちばん大事なのは固さです


スプーンを傾けると、つるんと落ちます。のどに張り付かず、つるんと飲み込めるということです。
そのうえで、いちばん大事なのは固さです。
食べる前に、必ず一口ぶんの固さを確かめてください
同じ分量でも、食材やミキサーの種類によって仕上がりが変わることがあります。
作った日ごとに確かめる。これがいちばんの安全対策です。
食べてみた感想|ふわっとして、つるんと飲み込めました
実際に食べてみた、正直な感想です。
- ふわっとした口当たり。歯ぐきでも簡単につぶせます
- つるんと飲み込める。喉ごしがなめらかです
- ペースト食のようなベタベタ感がまったくない
- 味がちょうどいい濃さ。水っぽくも、塩辛くもありません
いちばん驚いたのは、ベタベタ感がまったくなかったことです。
食材をミキサーにかけただけだと、どうしてもベタッとした感じが残ります。それが喉に張り付いて、飲み込みにくくなるのです。
そして娘も美味しそうに食べていました。のどに引っかかることもなく、安全に飲み込めていました。
※飲み込む力には個人差があります。初めて食べていただくときは、かかりつけの医師や言語聴覚士(げんごちょうかくし)にご相談ください。

にんじんの甘みがそのまま残っていて、美味しかったです。慣れている料理の味が、やっぱり一番ですね。
保存のしかた|50gずつ小分けにします


1食分ずつ小分けにしておくと、食べるときに楽です。
使っている容器は100円均一で買ったものです。冷凍・冷蔵・レンジ加熱ができるタイプを選んでいます。そのまま温められるので、洗い物が増えません。
| 保存の方法 | 目安 |
|---|---|
| 冷蔵 | 2日以内に食べきる |
| 冷凍 | 3日〜1週間以内に食べきる |
自然解凍・冷蔵庫での解凍はしないでください
水が出てしまい(離水)、なめらかさがなくなります。必ず加熱して解凍してください。
解凍のしかたは、実際に測って検証した記事があります▼
なぜ3gなの?|食材の温度で量が変わります
最後に、ミキサーゲルが3gだった理由です。分量の意味がわかると、ほかの料理にも応用できます。
ミキサーゲルの量は、全体の重さに対する割合で決まります。そして食材の温度で変わります。
| 食材の温度 | 割合 | 全体200gなら |
|---|---|---|
| 冷たい場合 | 1.5% | 3g(スティック1本) |
| 温かい場合 | 0.8% | 1.5g(半分でOK) |
出典:宮源株式会社 公式サイト
今回は冷めた煮物(23℃)で作ったので、200gの1.5%=3g。スティック1本がぴったりでした。
温かいまま作ると、半分の量で固まります。ただし手順も変わるので、くわしくはこちらの記事をご覧ください▼
まとめ|「100・100・3」だけ覚えれば作れます
- 具100g+水分100cc+ミキサーゲル3g(1本)
- 水分は煮汁と水を半々がおすすめ。水だけでも作れます
- 手順は15秒→1分待つ→15秒
- できあがりは200gより少し少なくなる
- 食べる前に、必ず固さを確かめる
にんじんの煮物は、家族の食事といっしょに作れます。そこから100g取り分けるだけで、ムース食が1品できあがります。
別々に作らなくていい。そして慣れている料理の味が、やっぱりいちばん美味しい。これが手作りのいいところだと思っています。
とはいえ、毎日作るのが大変なのは、私も痛感しています。
市販のものと組み合わせるのも、長く続けるコツです。作れる日は作って、しんどい日は頼る。それでいいと思います。

まずは1品から。にんじんは色もきれいなので、食卓が明るくなりますよ。
今回使ったミキサーゲルはこちらです▼
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