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ムース食の温め方|溶けても冷めれば元に戻ります【実測】

ムース食の温め方。75.1度で溶けたムース食が、冷めて47.2度になると元に戻る様子を示した画像。「溶けても冷めれば元に戻ります」という説明付き。 ムース食の基礎知識

レンジで温めたら、ドロドロに溶けてしまった……。

「失敗した」
「もう食べられないのかな」

そう思って、捨てようとしていませんか。

捨てないでください。冷めれば、元のムース状に戻ります。

この記事では、冷蔵したムース食を電子レンジと湯せんで温めて、温度計で測った結果をそのままお伝えします。

※このブログの情報は一般的な介護食の参考情報です。嚥下(えんげ)の力には個人差があります。必ず担当の医師・言語聴覚士・管理栄養士にご相談のうえでご活用ください。

この記事でわかったこと

  • ムース食は電子レンジで温められる
  • 湯せんでも温められる
  • 約55℃を超えると、一度溶けて液状になる
  • でも40〜50℃くらいまで冷めると、ムース状に戻る
  • あわてて捨てる必要はない

本当に戻るのか、まずは写真をご覧ください。

電子レンジで温めて57.8℃になり、崩れて液状になったにんじんのムース食
57.8℃まで温めたところ。すっかり溶けています
1分置いて45.5℃まで冷めたことでムース状に戻り、小皿の上で形を保っているにんじんのムース食
1分置いて45.5℃まで冷めたところ。ムース状に戻りました

何もしていません。ただ1分待っただけです。

みかん
みかん

メーカーの宮源さんも、Q&Aで「冷めると再びゲル状になる」と説明しています。

くわしい様子は、記事の後半でご紹介します。まずはどうやって温めるかからお伝えします。

3つの温め方|どれでも温められます

温め方特徴
レンジ500W短い時間で温まる。温めすぎに注意
レンジ200Wゆっくり温まる。こちらも温めすぎれば溶ける
湯せん形を保ったまま温められる。時間はかかる

電子レンジ|短い時間で区切るのがコツ

電子レンジで温めたにんじんのムース食。温度計は43.5℃を示し、食べごろのやわらかさになっている
43.5℃。ここが食べごろでした

500Wと200Wの両方で試しましたが、大きな差はありませんでした。どちらも43℃くらいで食べごろになり、そこからあと10秒で溶けています。

つまり大事なのはワット数ではなく、区切る時間です。

10秒ずつ温めて、そのつど混ぜる

50gなら、500Wで20秒・200Wで30秒が食べごろの目安でした。

いきなり長く温めず、様子を見ながら足していくと失敗しません。

湯せん|形を崩したくないときに

耐熱ボールに入れた60℃のお湯に、保存する容器ごとムース食をつけているところ
耐熱ボールに60℃のお湯を入れ、容器ごとつけました

保存する容器は、火にかけないでください

100円均一などの容器は、直火にかけられないものがほとんどです。耐熱ボールにお湯を入れて、容器ごとつける方法で行いました。

湯せんは時間がかかります。60℃のお湯に2分つけても、34℃までしか上がりませんでした。ムース食を入れると、お湯のほうが先に冷めていくからです。

でも、崩れなかったのは湯せんだけでした。

湯せんで2分温めたにんじんのムース食。温度計は34.0℃を示し、形は崩れていない
2分後。形はまったく崩れていません

魚の形やハンバーグの形に整えたムース食など、崩したくないものには湯せんが向いています

湯せんで温めたにんじんのムース食を小皿に出し、スプーンですくっているところ
のどごしはよく、つるんとしたムース状のままでした

溶けても戻ります|2回試して確かめました

ここが、この記事でいちばんお伝えしたいところです。

1回目|57.8℃で溶けて、45.5℃で戻った

記事のはじめにお見せした写真です。57.8℃まで温めたら崩れ、1分置いて45.5℃まで下がったらムース状に戻りました

崩れたあと1分置いたにんじんのムース食。温度計は45.5℃を示している
1分後、45.5℃。すでに固まりはじめています

ほんのり温かく、熱すぎることもありません。口あたりもなめらかで、飲み込むのも問題ありませんでした。

2回目|75.1℃まで上げても、また戻った

気になったので、一度戻ったものをもう一度温めました。今度は75.1℃まで上がり、とろとろに溶けました。

2回目の加熱で75.1℃まで上がり、とろとろに溶けたにんじんのムース食
2回目の加熱で75.1℃。とろとろに溶けています

正直、「今度こそ塊ができるかもしれない」と思っていました。「再加熱はやめましょう」と注意を書くつもりで試したのです。

でも、しばらく待って47.2℃まで下がったとき——

2回目の加熱のあと47.2℃まで冷めて、ふたたびムース状に戻ったにんじんのムース食
47.2℃。ふたたびムース状に戻りました
2回目の加熱のあとに戻ったムース食をスプーンですくったところ。なめらかで塊はない
塊もできず、なめらかなままでした

塊もできず、きれいに戻りました。思っていたより、ずっと丈夫でした。

ただし、何度も繰り返すのはやめてください

温めたり冷ましたりを繰り返すと、菌が増えやすい温度を何度も通ることになります。

1回溶けても大丈夫。でも、その回で食べきってください。

600W以上のレンジをお使いの方へ

ご家庭のレンジは、600Wや800Wが標準という方も多いと思います。

出力が高いほど、短い時間で温度が上がります。今回の500Wでも20秒から30秒のあいだで13℃以上あがったので、600W以上ならもっと早く溶けるはずです。

でも、戻り方は同じです

ドロドロになって驚くかもしれませんが、冷めればムース状に戻ります

心配な方は、ワット数を下げるか、10秒ずつ区切って温めてみてください。

温めるときの3つのルール

①50℃くらいまでにする

溶かしたくないなら、50℃を目安にしてください。55℃を超えると崩れはじめます

温度計がなくても大丈夫です。短い時間で区切って様子を見るだけで十分です。

②必ず混ぜる

温めたムース食をスプーンで混ぜて、全体の温度を均一にしているところ
温めたら必ず混ぜます

これがいちばん大事です。

温め方によって、熱くなる場所が違います。

レンジ中心が熱くなりやすい
湯せん外側が熱くなりやすい

湯せんの実験でも、混ぜる前は38.1℃、混ぜたあとは34.0℃でした。混ぜないと、外側の温かい部分だけを測ってしまいます。

混ぜないまま食べていただくと、一口目だけ熱かったということが起こります。

③食べる前に固さを確かめる

スプーンで一口ぶんすくって、固さを確かめてください。

同じ温め方でも、食材やお使いのレンジによって仕上がりは変わります。作った日ごとに確かめるのが、いちばんの安全対策です。

まとめ|溶けても、捨てないでください

  • レンジでも湯せんでも温められる
  • 約55℃を超えると一度溶ける
  • 40〜50℃まで冷めれば、ムース状に戻る
  • 形を守りたいときは湯せん
  • 温めたら必ず混ぜて、固さを確かめる

ムース食が溶けると、本当にがっかりします。時間をかけて作ったものなら、なおさらです。

でも待つだけで戻ります。それを知っているだけで、温め直しがこわくなくなります。

みかん
みかん

失敗したと思ったときこそ、1分待ってみてください。きっと戻ります。

よくある質問

冷凍したムース食も同じですか?

温め方は同じですが、解凍のしかたに注意が必要です。

自然解凍や冷蔵庫での解凍をすると、水が出て(離水)、なめらかさがなくなります。必ず加熱して解凍してください。

くわしくはこちらの記事にまとめています▼

何度も温め直していいですか?

おすすめしません。

今回の実験では2回溶かしても戻りましたが、温めたり冷ましたりを繰り返すと、菌が増えやすい温度を何度も通ることになります。

一度溶けても慌てなくて大丈夫ですが、その回で食べきってください

実験の記録|測った数字をすべて公開します

ここからは、実際に測った数字です。読み飛ばしていただいて大丈夫です。

実験の条件

実験に使う3個のにんじんのムース食を、同じ容器に50gずつ入れて並べたところ
同じ条件になるよう、50gずつに分けました
使ったものにんじんの煮物のムース食
ゲル化剤ミキサーゲル(全体の1.5%)
1個の重さ50g(容器は含まず)
保存冷蔵で約48時間
測り方加熱のたびに混ぜてから測定

電子レンジ500Wの記録

加熱の合計温度状態
加熱前8.7℃形を保つ
10秒31.1℃少しゆるむ
20秒43.9℃ゆるむ(食べごろ)
30秒57.8℃崩れる
その後1分45.5℃ムース状に戻る

電子レンジ200Wの記録

加熱の合計温度状態
加熱前8.3℃形を保つ
10秒17.3℃形を保つ
20秒29.1℃形を保つ
30秒43.5℃ゆるむ(食べごろ)
40秒54.6℃崩れる
その後30秒42.3℃ムース状に戻る

湯せんの記録

経過お湯ムース食
開始前60℃10.6℃
30秒56.6℃24℃
1分53.8℃38.1℃
2分48.6℃34.0℃

湯せんでは最後まで崩れませんでした

冷蔵48時間で、少し水が出ていました

冷蔵庫で48時間保存したにんじんのムース食。容器のふちに少し水が出ている
48時間の冷蔵で、少し水が出ていました

これは離水(りすい)といって、時間がたつと起こる自然な変化です。傷んだわけではありません。温めて混ぜれば、なめらかさは戻ります。

ただし、これ以上長く置くと水はもっと出ます。冷蔵なら2日以内に食べきるのが目安です。

状態の判定について

形を保つ加熱前とほぼ同じ形
ゆるむ輪郭が少し崩れはじめる
崩れる形を保てない
液体明らかに流れる

この記事の数字は「今回の条件で起きたこと」です

食材・量・ゲル化剤の割合・お使いのレンジによって、温度も時間も変わります。

「◯℃なら絶対に安全」という意味ではありません。ご自宅で試すときは、必ず様子を見ながら進めてください。

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今回の実験で使った、にんじんのムース食の作り方はこちら▼

ミキサーゲルの基本の手順はこちら▼

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