ケアマネさんから「ヘルパーさんに、ミキサー食のような専門的な調理はお願いできません」と言われた。
自分は仕事で家にいない。
じゃあ、誰がこの人のご飯を出すの——。
結論からお伝えします。ヘルパーさんに「作ってもらう」のは難しくても、「温めて、出して、見守ってもらう」ならお願いできます。
必要なのは、料理の腕ではなく「渡せる形」。市販や宅配の嚥下食(えんげしょく:飲み込みやすく加工した食事)をストックしておけば、専門知識のない人にも任せられます。
実は私自身、これができませんでした。娘のムース食をあげられるのは私だけ。管理栄養士だから、母だから、「私の役目」だと思い込んで、体調の悪い日の食事は誰にも頼まず、全部ひとりで抱えていました。

あのとき宅配やレトルトを知っていたら、夫にもお願いできたはずです。同じ抱え込みをしてほしくなくて、この記事を書いています。
※このブログの情報は一般的な介護食の参考情報です。嚥下機能には個人差があります。必ず担当の医師・言語聴覚士・管理栄養士にご相談の上でご活用ください。
・ヘルパーさんに嚥下食の調理を頼みにくい理由
・専門知識がない人にも任せられる「渡せる形」3つ
・頼むときに伝えること(温め方メモの作り方)
・「私の役目」と抱え込まないために
結論|「作ってもらう」から「温めて出してもらう」へ
ヘルパーさんに頼める範囲は、事業所や契約内容によって異なります。くわしくはケアマネさんに確認してほしいのですが、嚥下食のような専門的な調理は、頼めないことが多いのが現実です。
むせや誤嚥(ごえん:食べ物が気管に入ること)のリスクがある食事づくりは、責任が重いからです。断られるのは、意地悪ではありません。
でも、見方を変えれば道があります。
発想の転換
「作ってもらう」は難しい。
でも「温めて、出して、見守ってもらう」ならできる。
だから、渡せる形を用意しておけばいい。
これは、ヘルパーさんだけの話ではありません。ご主人、離れて暮らす家族、介護に慣れていない人——誰に頼むときも同じです。
「渡せる形」の作り方3つ
①市販のムース食・粥ゼリーをストックする
常温で保存できるレトルトのムース食・粥ゼリーを棚に置いておけば、「ここから1つ温めて出してください」とお願いできます。いちばん手軽な渡せる形です。
どこで買えるかはこちら▼
「レトルトばかりで大丈夫?」と不安な方はこちら▼
②冷凍の宅配弁当を頼んでおく
冷凍庫に宅配のムース食・やわらか食が入っていれば、レンジで温めるだけ。買い物にも行けない忙しい時期の、いちばんの味方です。
私が実際に食べ比べた宅配ムース食のまとめはこちら▼
③手作りを冷凍しておく(余裕のある人向け)
手作り派の方は、元気な日にまとめて作って冷凍しておく方法もあります。ただし、解凍の仕方まで相手に伝える必要があるので、①②に慣れてからで十分です。

わが家では、デイサービスにお弁当を詰めて渡しています。「渡せる形」にしておけば、食べさせるのはスタッフさんにお願いできるんです。
頼むときのコツ|「温め方メモ」を1枚作って貼る
渡せる形を用意したら、最後の仕上げです。紙1枚のメモを冷蔵庫に貼ってください。口頭より、ずっと確実に伝わります。
温め方メモに書くこと(例)
- どれを出すか(「棚の赤いパウチを1つ」など具体的に)
- 温め方(レンジのワット数と秒数。パッケージの表示どおりでOK)
- 熱すぎ注意(ゼリー状のものは60℃以上で溶けることがあります。ぬるめが安全)
- 食べるときの姿勢と、ひと口の量
- 「飲み込むまで見守ってください」の一言
- 緊急連絡先(あなたの電話番号)
むせやすい方の場合は、どの姿勢・どのスプーンだと食べやすいかも一言添えると、頼まれた側の不安がぐっと減ります。
「私の役目」と抱え込んでいませんか
最後に、これだけは伝えさせてください。
私は長い間、体調の悪い日の娘の食事を、誰にも頼みませんでした。夫はやさしい人です。でも「ムース食をあげるのは私の役目」と思い込んで、頼むという発想すらありませんでした。
いま振り返ると、足りなかったのは家族の協力ではなく、「渡せる形」と「伝えるメモ」でした。それさえあれば、夫にも頼めたはずなんです。

頼れる仕組みを作ることは、逃げではありません。介護を長く続けるための、大切な準備です。
まとめ|渡せる形があれば、頼れる人は増える
- ヘルパーさんには「作ってもらう」より「温めて出してもらう」を頼む
- 渡せる形は3つ:市販のストック・冷凍宅配・手作り冷凍
- 温め方メモを1枚貼れば、専門知識がない人にも任せられる
- 頼める範囲はケアマネさんに確認を
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