
家でムース食を作るのは難しそう…

ミキサーにかければいいの?でも、ベチャベチャになっちゃう…
そんな不安を抱えていませんか?
このレシピは、噛む力や飲み込む力が弱くなった方、嚥下に不安がある方を支えるご家族向けに作成しています。
実は、ムース食作りには「ミキサーゲル(ゲル化剤)」という心強い味方があります。これを使えば、お家でも驚くほど滑らかで、飲み込みやすい理想のムース食が作れるようになります。
まずは、「ほうれん草のムース食」を例に、1工程ずつ写真付きで解説します。
・ミキサーゲルで失敗しない基本手順
・ムース食の「正しい固さ」の目安
・ほうれん草の「作り置き・冷凍保存」テクニック
【作り方】ほうれん草のムース食
まずは基本のレシピを確認しましょう。
ミキサーゲルとは? 介護食や嚥下食で使われる「ゲル化剤」の一種です。ミキサー食を、飲み込みやすく・まとまりのあるムース状に整えるために使われます。
詳しい使い方や注意点は、こちらの記事で解説しています。
用意する調理道具

- ミキサー:滑らかにするための必須アイテムです。
- キッチンスケール(はかり):最初は必ず「量る」ことが成功への近道です。
- 計量カップ:だしの量を正確に測ります。
- ゴムベラ(またはスプーン):ミキサーに残ったムースを取り出すには、ゴムベラが便利です!
材料(4食分:合計200g)

- 茹でたほうれん草:100g
- だし汁:100g(家庭でお使いのものでOK)
- ミキサーゲル:1本(3g)
今回使用しているのは、個包装で使いやすい「ミキサーゲル」です。 ダマになりにくく、初心者の方にもおすすめです。
【写真で解説】失敗しない調理ステップ

だし汁を作る。

ここでだし汁を40度以下(お風呂の温度くらい)まで冷ますのが、最大のポイントです。
ミキサーゲルは温かい料理にも冷たい料理にも使える便利なアイテムですが、温度によって固まる力が変わります。
もし熱いまま1本(3g)全部入れると、固まる力が強すぎてガチガチになってしまい危険です。(※温かいまま作るには、ゲルを減らして微調整する必要があります)
今回は「計量なしで1本使い切り」で、誰でも失敗なく安全に作るために、あえて冷ます方法をご紹介しています。
・温度計がない時の目安
手で触れた時に「ほんのり温かいな」と感じる程度ならOKです!「熱い!」と感じるうちは、もう少し待ちましょう。
ほうれん草を茹でて、1〜2cmに切る。

ほうれん草は、「茹でてから切る」のがポイントです。
【管理栄養士のコツ】 先に切ってから茹でると、断面からビタミンなどの栄養が溶け出してしまいます。栄養をしっかり残すために、丸ごと茹でて水気を絞ったあと、1〜2cmに切りましょう。
なめらかなムースにするために、できるだけ「葉の部分」を中心に使用するのがおすすめです。硬い茎や根元は、普通食の家族のお浸しなどに活用すると無駄がありません。
ほうれん草とだし汁をミキサーにかけ、ポタージュ状にする。

最初は、ミキサーゲルを入れずに、具材だけで回します。 形がなくなり、サラサラしたポタージュ状になるまでしっかり回してください。
この時点ではまだ「ゆるい」状態で正解です!
ミキサーゲルを1本(3g)入れる。

温度が40度以下の時は、食材200gに対して、スティック1本(3g)を使い切りましょう。
面倒な計量も必要なし!袋からサッと入れるだけなので、初心者の方でも安心して作れます。
ミキサーゲルを加えて「再撹拌」する。

ミキサーゲル(1本)を加え、さらに15〜20秒ほど回します。
全体が混ざり、写真のように少しトロミがついたら完成です!
完成!固さの判断目安

盛り付けてから5分程度置くと、ミキサーゲルが反応して固さが安定します。 (※見た目は変わりませんが、内部の結合がしっかりします)
スプーンですくって傾けた時に、「つるん」と滑らかに落ちれば大成功です!
- 形が保てる:スプーンですくうと「プルン」としている。
- 表面がなめらか:つぶつぶが残っていない。
- 離水していない:周りから水分が染み出していない。

「つるん」とした質感が重要です。 ベタつきがないため、喉に張り付かず、とても飲み込みやすい状態に仕上がっています。
【ラクするコツ】保存期間と冷凍テクニック
毎日作るのは大変ですので、まとめて作って上手に保存しましょう。
完成したムースは「冷蔵で2〜3日」
完成したムースは、清潔な保存容器(タッパーなど)に入れれば、冷蔵庫で2〜3日保存可能です。

乾燥すると表面が硬くなり飲み込みにくくなるので、必ずフタ(またはラップ)を密閉して保存してください。
ほうれん草は「切ってから冷凍」が便利!
ほうれん草を毎回茹でるのは面倒ですよね。 時間がある時に「茹でて切った状態」で100gずつ袋にいれて冷凍保存しておくのがおすすめです。

手作りが大変なときは、無理せず「お休み」もしよう

ムース食は毎日手作りしなくても大丈夫です。 忙しい日や、介護する側の体調がすぐれない時は、市販のムース食や冷凍宅配弁当を賢く頼りましょう。
私も宅配弁当の存在を知った時は「こんなに便利なものがあるんだ!」と驚愕しました(笑)。

今は私も、余裕がある時は手作り、時間がない時は宅配弁当、と使い分けています。
もし、「どんな市販品があるの?」と気になった方は、こちらの記事も参考にしてみてくださいね。
毎日のお料理を支える「愛用アイテム」
ムース食作りで一番大切なパートナーが「ミキサー」です。 パワーが弱いと繊維が残ってしまい、安全性に関わるため、ここはしっかりした物を選ぶのが正解です。
【10年愛用】パナソニック ファイバーミキサー
私が記事の中で使っているのは、パナソニックの「MX-X700」というモデルです。 実はこれ、購入してからもう10年経ちますが、一度も故障せず現役でバリバリ動いています!
「安物を買ってすぐ壊れる」という失敗をしたくないなら、耐久性が抜群なパナソニックが間違いありません。 今買うなら、私の使っているモデルの強さを受け継いだ、最新機種(MX-X701)がおすすめです。
驚くほどなめらかで、「ふわっ」とした口当たりの良いムースがあっという間に作れますよ!
【少量派の方へ】マジックブレット
「そんなにたくさんは作らない」「1人分だけサッと作りたい」 という方には、ミキサーゲルのメーカー(宮源)も推奨している「マジックブレット」が便利です。
コンパクトで場所を取らず、少量の食材でも空回りしにくいのが特徴です。 「大きなミキサーは洗うのが面倒…」という方はこちらがピッタリです。
まとめ|まずは1回、作れたら大成功です!

最後まで読んでいただきありがとうございます。 今回ご紹介した「失敗しないコツ」を、最後にもう一度だけおさらいしましょう。
- ミキサーでしっかり撹拌して粒を残さない
- 「目分量」ではなく、かならず計量する
- だし汁は「40度以下」に冷ましてから使う
【重要】安全に使うための4つの約束
大切なご家族を守るために、これだけは必ず守ってください。
- 粉末のまま口に入れない(喉に張り付く危険があります)
- ダマがあれば必ず取り除く(詰まりの原因になります)
- 提供前に必ず温度と固さを確認する
- 体調に変化があれば使用を中止し、医師に相談する

粉やダマが残っていたり、ムースが固すぎると喉をつめる危険があるので、食べる前のチェックは忘れずにお願いします
介護食作りは完璧を目指さなくて大丈夫です。
まずはこのレシピで、ムース食を1回作ってみることから始めてみませんか?

ほうれん草が苦手な場合は、白菜や小松菜でも作れますよ。
【必ずお読みください】
※今回ご紹介したレシピは、嚥下機能が低下した方向けですが、全ての方の安全を保証するものではありません。
※飲み込みの状態には個人差があります。ご本人の噛む力・飲み込む力に合わせて、かかりつけの医師、歯科医師、管理栄養士などの専門家に相談の上、調理・提供してください。




コメント