「ごはんを丸呑みしてしまった…」
「むせて、苦しそうにしている…」
障害のある娘との日々の食事の中で、私は何度もそんな場面に立ち会ってきました。
そのたびに、「もっと安全に、もっと楽しく食べてほしい」と願いながら、私たちはムース食を取り入れるようになりました。
この記事では、我が家でムース食を始めたきっかけ、工夫していること、変化したことをお話しします。
同じように悩んでいる方の、小さなヒントになれば嬉しいです。
ムース食を始めたきっかけ
娘は、発達に遅れがあり、食事のときに噛むことが苦手で丸呑みしてしまうことがありました。
食材を大きくすると詰まりやすく、細かくしすぎると水っぽくなって飲み込みにくくなる…。
日々の食事で「どこまで柔らかくすれば安全?」という迷いが常にありました。
そんなとき、支援センターでムース食の存在を教えてもらい、「これなら娘にも合うかも」と思ったのが始まりです。
初めてのムース食づくり
最初に作ったのは、じゃがいもと鶏ひき肉のムースでした。
レシピサイトを見ながら、ハンドブレンダーを使って滑らかにし、とろみ剤で固めてみました。
「…ちょっと見た目は微妙だけど、食べてくれるかな?」
恐る恐る娘の口に運ぶと、最初は少し戸惑いながらも、ゴクンと飲み込み、ニコッと笑ったんです。
その瞬間、私は「ああ、これが娘に合う形なんだ」と確信しました。
我が家で続けている5つの工夫
- 一口量を決めておく: スプーン1杯分を目安にして、食べ過ぎや丸呑みを防ぎます。
- 姿勢を整える: 背中にクッションを入れ、やや前傾に。誤嚥を防ぐための基本です。
- 口の体操をしてから食事: 「いー・うー」と声を出す、口まわりマッサージもしています。
- 盛り付けにも工夫: 色合いを意識して、「食べたい!」気持ちが湧くようにしています。
- 急がせない: 娘のペースでゆっくり。「飲み込んでから次の一口」が合言葉です。
ムース食を始めて変わったこと
ムース食を取り入れてから、「食事=不安」だった時間が、「食事=楽しみ」に変わり始めました。
むせる回数が減り、食べるペースも落ち着いてきました。
美味しそうに食べている笑顔は、何よりのご褒美です。
無理せず、市販品も活用
毎日手作りは難しい日もあります。そんなときは、市販のムース食に頼ることも全く問題ありません。
わが家では、ウェルネスダイニングや和光堂の「やさしい献立」シリーズを活用しています。
▶ 忙しい日のストックとして、本当に助かります!
まとめ|あなたのペースで、少しずつ
ムース食は、咀嚼や嚥下が難しい人のための「命を守るやさしい食事」だと思います。
でも、それだけではなく、家族の食卓を囲む笑顔を支えてくれる存在でもあります。
もし、今悩んでいる方がいたら、まずは1品、試してみてください。
無理せず、あなたのペースで少しずつで大丈夫でです。
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