ムース食とは?嚥下食の中での位置づけと、他の食事との違いをわかりやすく解説

ムース食とは?

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嚥下食(えんげしょく)ってなに?

「嚥下(えんげ)」とは、食べ物を口に入れてから飲み込むまでの動きのこと。

高齢になると筋力が落ちたり、病気や障害によって「うまく飲み込めない」状態になる人がいます。そうなると、食べ物が気管に入ってしまい「誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)」になるリスクも。

そこで必要になるのが「嚥下食」です。

嚥下食は、かむ力や飲み込む力が弱くなった人でも、安全に、そしてできるだけ美味しく食事ができるように工夫された食事のことです。

病院や介護施設ではもちろん、最近ではおうちでの介護や障害のある子どもの食事にも取り入れられるようになってきました。

嚥下食にはどんな種類があるの?

「嚥下食」とひとことで言っても、実はいろんな種類があります。

  • ミキサー食:食材をミキサーで液状にしたもの。見た目は悪くなりやすいけど、なめらかで飲み込みやすい。
  • ペースト食:食材をつぶしてペースト状にしたもの。水分量やかたさはばらつきあり。
  • ピューレ食:ペーストに近いけれど、味や香り、見た目を大事にした食事。
  • ゼリー食:水分や食事にゲル化剤を加えて、つるんと飲み込めるようにしたもの。
  • トロミ食:お茶や汁物にとろみ剤を入れて、むせにくくした飲み物。
  • ムース食:ペースト状にした食材を、プリンのように固めて形を整えたもの。

それぞれに特長があり、「どれが良い」というよりは、その人の状態や場面に合わせて選ぶことが大切です。

ムース食ってどんな食事?

ムース食は、かまずに舌でつぶせるくらいのやわらかさで、見た目もきれいに整えられた食事です。

プリンや茶碗蒸しのような食感で、パサつかず、スプーンでくずせばすっと形がくずれる程度。

「なめらかで食べやすく、見た目も美味しそう」

それが、ムース食の一番の魅力です。

普通食・刻み食・ムース食の違い

では、ふだんの食事と、ムース食は何が違うのでしょうか?

食事形態特徴飲み込みやすさ見た目
普通食かむ力が必要な一般的な食事
刻み食細かく切ってあるが、水分がなくパサつきがち△〜×(むせる人も)
ムース食形は保ちつつ、なめらかでやわらかい

実体験:刻み食が食べられなかった娘が、ムース食をパクパク!

うちの娘は普段、刻み食を食べています。でも風邪をひいたり、花粉症でたんが増えると、刻み食も食べられなくなってしまっていました。

話せない娘が食べない理由がわからず、私は「体調が悪いのかな?」「わがままなのかな?」と悩む日々。栄養がとれず、入院することもありました。

そんなとき、病院の栄養士さんに教えてもらったのが「ムース食」。

試してみると…パクパクと食べてくれたんです!

それからは、風邪の季節や花粉の時期も安心して食事ができるようになりました。

「食べない」には、ちゃんと理由があるんだと気づかせてくれた、大切な食形態です。

まとめ|ムース食は、嚥下食の中でも“食べる喜び”を守る食事

ムース食は、ただやわらかくて飲み込みやすいだけでなく、「見た目」「味」「安全性」をバランスよく満たしてくれる、やさしい介護食です。

嚥下食の種類がたくさんある中で、「どれを選べばいいのか迷う」という方にこそ、まずはムース食を知ってもらいたいと思います。

あなたや、あなたの大切な人が「また食べられるかも」と感じるきっかけになりますように。

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