食事中に「ごくん」と丸呑みしてしまうこと、ありませんか?
高齢になると、また障害のある方では、噛む力(咀嚼)や飲み込む力(嚥下)が弱くなり、食事中に誤って飲み込んでしまうことで、窒息や誤嚥性肺炎など命に関わるリスクが高まります。

娘も噛むのが苦手で、丸呑みしてしまうことがあり、ヒヤッとする場面が何度もありました。
同じような悩みを抱える方のために、我が家で試して効果を感じた「丸呑み予防のための5つの工夫」をまとめました。
日々の食事に取り入れやすく、咀嚼や嚥下の練習にも役立つ内容です。
高齢者の方の介助にも活用いただける内容ですので、ぜひご参考ください。
① 一口の量をあらかじめ「決めておく」
工夫ポイント
- 食べすぎ・丸呑みを防ぐため、一口量をスプーン1杯で統一
- 小分け皿や専用スプーンで視覚的にも「一口量」を明確に
介護アドバイス
介護用スプーンや自助皿(返し付きの皿)を使うことで、本人の自立を尊重しつつ、安全性を確保できます。
② 姿勢を整えて、飲み込みやすくする
工夫ポイント
- 背中にクッションを入れ、軽い前傾姿勢をとる
- 足が床にしっかりつき、お尻・背中・足の3点が安定する座り方が理想
介護アドバイス
嚥下障害がある方は、頭を少し下げる「前傾姿勢」が誤嚥予防のカギになります。90度に座るよりも、やや前傾が安全です。
③ 食事の「とろみ」と「まとまり」を意識する
工夫ポイント
- 水っぽいものは避け、まとまりやすい食事を準備
- ペーストよりも「とろみのある形状」が飲み込みやすいことも
介護アドバイス
嚥下に不安がある方には、とろみ剤を使って**「嚥下調整食」**にするのがおすすめです。市販の介護食でも、飲み込みやすい加工がされたものを選ぶと安心です。
④ 食事前に「お口の準備体操」を行う
工夫ポイント
- 食前に「いー・うー」などの発声で口を動かす
- 唇やほおの軽いマッサージで筋肉を刺激する
介護アドバイス
わずか1~2分の口腔体操でも、口周りの筋肉がほぐれ、誤嚥リスクを大幅に減らすことが できます。食事のルーティンにぜひ加えてみてください。
⑤ 焦らず、ゆっくり時間をかけて食べる
工夫ポイント
- 一口ずつ飲み込んだのを確認してから次へ
- 食事中は「急がせない」ことを大切に
介護アドバイス
時間をかけてゆっくり食べることは、丸呑みや誤嚥を防ぐ最も基本的な工夫です。
ご本人も安心して食事ができるようになり、食の楽しみも回復しやすくなります。
【まとめ】小さな工夫で「安全な食事時間」はつくれる
食事中の「丸呑み」は、誰にとっても一瞬の油断が命に関わる重大なリスクになり得ます。
けれども、毎日の中でできるちょっとした工夫を積み重ねることで、安全で安心できる食事の時間をつくることは可能です。
わたしたち家族も、最初は不安の連続でしたが、今回ご紹介したような工夫を続けるうちに、本人も落ち着いて食べられるようになり、食事そのものを楽しめるようになってきました。
この記事が、同じように嚥下や咀嚼に不安を抱えるご家族や介護者の皆さまにとって、小さな安心のヒントとなれば幸いです。

もし迷うことがあれば、医師や言語聴覚士、管理栄養士といった専門職の力を借りることも大切です。
無理をせず、支え合って、安全で豊かな食事時間を続けていきましょう。
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